シェークスピア氷柱群

大峰山系・地獄谷登山

シェークスピア氷柱群

山好き向け 健脚以上 冬山装備
大峰山は大普賢岳の東面に広がる山葵谷・地獄谷には氷瀑の望める場所が点在している、中でも有名なのがシェークスピア氷柱群になる。
この地獄谷は個人的に冬の練習場にしている事もありプライベート・仕事含めて結構写真が溜まってきたのでせっかくだからここに上げてみる事にした、時間記録はシンプルに往復した時の物を参考程度に上げてある。
このコースも他の冬山と同じで天候状況によってかなり所要時間も難易度もかわる、氷柱見学が目的でも前爪付きアイゼンとピッケルは必須となるし、しっかりそれら道具類を扱えないと危ない、最も簡単な環境になるのは『しっかり積雪とトレースが残っている時』になる、夏道は無いようなものなので雪が無い時は最も危ないかもしれない(雪が無い時は岩場と砂礫の急傾斜をずっと辿る事になる)。
日程2016年1月21日(木)
日帰り
area奈良県・大峰山脈
アクセスマイカーで大台ヶ原ドライブウェイ入り口周辺まで
冬季は積雪、凍結に注意、車がいっぱいだからと言って無理な停め方をしないよう駐車場所には注意を払う事。
1day自宅6:00出発→(マイカー)→川上村道の駅7:20/7:30→登山口8:00/8:30―広場―アイスゲレンデ下9:25―渡渉点10:00―最初のロープ場―トラバース岩―シェークスピア氷柱群11:30/11:50―渡渉点12:45―広場13:30―登山口下山14:00→自宅

行動時間約5時間半

2016年1月21日曇り
8:30登山口周辺
この日の2日ほど前に(待望の)大雪が降り山には積雪あり、吉野町あたりにはほぼ積雪無し。
ゲートを越えてしばらく山葵谷沿いの林業道を歩く。
8:50広場
車道の広くなっている場所は2カ所ある、これは奥の方、このすぐ先から登山道へ、トレース有り、積雪は20㎝ほど
登山道に入ってから単管と木で出来た橋を渡る場所があるがかなり老朽化が進んでいる、実はしばらく沢沿いにすすんでから橋を迂回するルートもあるので特にアイゼン装着時は下道選択を推奨。
9:25アイスゲレンデ下
積雪は40cm程に、トレースはこのあたりで終わっている。
この周辺平坦地が多くテントを張りやすいがたまに焚き火の跡を見かける、原則焚き火はしないように。
アイスゲレンデ、右面が垂直に近くやや難しい
2015年1月撮影 アイスゲレンデ、登山口から約30分で来れる貴重なアイスクライム練習場
アイスゲレンデ、左にいくほど傾斜が緩くなる
2013年1月撮影 アイスゲレンデ、左によるほど難易度は下がる
登山道から見上げるアイスゲレンデ、結構遠い
2015年1月撮影 登山道から見上げるアイスゲレンデ
10:00渡渉点
両岸の尾根が迫ってきていて2m程の小滝の有る場所、渡渉してから岩の上へと乗越していく、積雪状況によるがこのあたりでアイゼンを装着する事が多い。
10:25尾根越え
よく見ると雑木にマーキングテープが残されていたりもするが尾根越えには実は3通りほどルートパターンがある(いずれも急登)、一番右手よりにルートを取ると偽滝とか呼ばれる綺麗なアイスが見られることがある。
この時はオーソドックス中央尾根越え、途中で後ろから若者2人組が追いついてきたので道(とラッセル)を譲る。
積雪が多い時の登山道、どこが道か知っている人でないとさっぱりわからない
渡渉点周辺、積雪がある時はこんな感じ
偽滝、よく冷えた日が続くと氷柱になる
2015年2月撮影 偽滝、よく冷えている時には氷柱になる
10:30最初のロープ場
ナメ滝横のスラブにボロボロのフィックスロープが束で張られている場所、ロープは出だし以外あまりあてにしないように、上部支点の固定やそもそものロープの耐久度も相当あやしい、スラブ中盤からはアイゼンピッケルをかけるクラックがあるので(下部はほとんどない)ロープ全力で登らないように。
ここからはトラバース―沢越え―急登と繋ぐ
10:45トラバース岩場
先程の急傾斜を登ってきたところで右手の岩場を登る事になる、フィックスロープが張られていたがこの日は切れてなくなっていた(後日どなたかが張り直してくれた模様)、岩にはガバのような足場は無く、上部は砂礫で手掛かりが無くなるのでアイゼンピッケルとバランスで登る、岩場途中で落とし穴のように足場がえぐれているチムニーがある。
余談だが始めて来た登山者がよくこの岩場を知らず行き過ぎているみたい、確かにトレス無し積雪有りだと登る気のしない道ではある。この岩場を越えて一旦尾根に取りつくとシェークスピア上部の閻魔大王が見えてくる
緩いルンゼ
上記岩場上部の尾根からすぐトラバースに入りまたこの緩いルンゼで上がる、半ばで右手方向への尾根にトラバースしなおす(上まで詰めようとすると傾斜がきつくなってゆくのでわかるかと)、無雪時は砂礫の急傾斜トラバースになるので手掛かりがほとんどなく怖い。
以降また尾根を少し上がってから滝方向へとトラバースへ(以降雪が深くなる)。
11:20岩場
ここまででも進行右手には氷柱が見えているがそれは地獄谷のF4~F6、シェークスピア演舞場はF7なので最後に岩場を(左から)巻くか、岩(もしくは岩表面の氷)を直登する事になる。
雪が多すぎてよくわからないがラッセルしつつ岩場に突き当たった地点
雪が多すぎてよくわからないがラッセルしつつ岩場に突き当たった地点
2015年2月撮影 良く凍っている時のシェークスピア3本、結構引かないと画角に収まらない、ので木が邪魔
2015年2月撮影 良く凍っている時のシェークスピア氷瀑、結構引かないと画角に収まらない
11:30シェークスピア氷柱群
シェークスピア演舞場とも、この日積雪は十分だったが肝心の滝全然繋がっていなかった、マクベスは元々太陽が当たりやすく繋がる事の方がまれなのだがハムレットもずたずたというのは割と残念な状態。ここへは氷の状態が良かったときの写真も掲載しておく。
20分程休憩して下山へ。
良く凍っている時のリア王とハムレット
2015年2月撮影 よく凍っている時のハムレットとリア王
2015年3月撮影 グランドイリュージョン遠貿
2015年3月撮影 アウトサイダーの先から覗き込むグランドイリュージョン
2014年1月撮影 右インサイダー左アウトサイダー凍り具合は微妙
2014年1月撮影 右インサイダー 左アウトサイダー
注釈
ざっと説明すると右手からマクベス・リア王・ハムレット、小尾根を挟んでインサイダー・アウトサイダーと呼ばれるバーティカルアイスが集まっている、ハムレットの少し下部には落氷の心配もない安全地帯もある。
アウトサイダーの前を左に通り過ぎて尾根の上に立つと少し遠くではあるがグランドイリュージョンと呼ばれる滝も見える。
暖かい年のハムレット、でかいつららレベル
かなり暖かい年のハムレット
良く凍っているハムレット
2015年2月撮影 これは良いハムレット、比較的繋がりやすく上部を目指すクライマはここを上がってゆく
2013年1月撮影 まったく繋がっていないリア王、近づきたくない
2013年1月撮影 まったく繋がっていないリア王
2015年2月撮影 比較的良い状態のリア王だが横一線に亀裂が入っている
2015年2月撮影 比較的良い状態のリア王、亀裂が入ってしまっている
2013年1月撮影 マクベス、全くつながりそうな気配すらない
2013年1月撮影 マクベス、大体いつもこの状態
2015年2月撮影 マクベス、上下が繋がっている貴重な状態
2015年2月撮影 かなりレアな繋がっている状態のマクベス
12:10トラバース岩場
立木は頑丈なのがいっぱいあるので懸垂下降、それ以外の場所もなかなか急傾斜が多いので雪が多い方がさくさく下れる。
12:45渡渉点
渡渉してからアイゼン外した。
13:30広場
車道に出てすぐの広場
14:00登山口
下山、ラッセルが有った割には(途中から若者二人組に譲ったが)普通のタイムで下山出来ている。
おまけブライダルベール
上記記録で言うと尾根越えの後、地獄谷右股方面(シェイクスピア方面)に向かわず沢を一つ越えてそのまま地獄谷を詰める(ほぼ水平移動)と10分ほどで左手にブラダルベールが現れる、ブライダル直下に行くには地獄谷本流の渡渉がある。
ブライダルベール、積雪は多いが氷の状態は悪い
2015年1月撮影 ブライダルベール
2015年1月撮影 ブライダルベール臆面
2015年1月撮影 ブライダルベール奥側氷の状態は結構悪い方
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