甲斐駒ケ岳縦走 黒戸尾根

黒戸尾根から甲斐駒ケ岳

山好き向け 健脚向き 岩稜歩き
黒戸尾根からの甲斐駒ケ岳縦走、下山は北沢峠でその後長野県伊那市の仙流荘へ、山中一泊の七丈小屋泊まり。
日本三大急登と言われる黒戸尾根、登山口から甲斐駒山頂の標高差2,200mと言うのは確かに登山慣れしていない人にはお勧めできない標高差だが、七丈小屋(2,370m)を利用すれば一日の行動時間は7時間程度と無理のない行程時間になるので健脚者であれば楽しめるのではなかろうか?体力がおっつくのであれば、岩、自然、修験道等々コースとしての見どころがかなり豊富な流石の良コースである。
注意すべき点は中盤からごりごり高度を稼いでくれる岩場通過の方で、高度感のある橋やハシゴ、鎖場通過が頻出してくるので、無理せず落ち着いて難所を通過できる登山経験の方が重要であると感じる。
少し気になったのは七丈小屋利用での甲斐駒(黒戸尾根)ピストン登山者が意外と多かった事で、確かにこの行程であれば回送不要で黒戸尾根を歩けるが、2日目が登り600m+下り2,200m(勿論難所も下ることになる)のでいよいよ健脚向けになってしまう、ピストン行程の場合は難易度が2段階くらい上がると思って挑んで欲しい。
日程2017年8月23日(水)~8月26日(土)
集合地が大阪で3泊4日(前泊後泊、山中一泊)
area山梨県・長野県・南アルプス
アクセスマイカーで山梨県北杜市の尾白川渓谷(竹宇駒ケ岳神社)駐車場へ、前泊は車で5分の場所にあるペンションボーンフリー(おススメ)、駐車場はキャパ80台らしく広いがシーズン中は一杯になる。
縦走の際の問題は長野県側からの回送方法で、この時はタクシー利用、安くすませるなら電車になるかと思うが、駅から登山口までは(長野・山梨県両方とも)遠いのでバスかタクシーへの乗り継ぎが必要となる、時間もかかる。
1day大阪駅集合9:00→(マイカー・休憩とりつつ)→北杜市ペンションボーンフリー15:00頃到着

北杜市ペンション前泊

2day北杜市ペンション5:30→(マイカー移動)→竹宇駒ケ岳神社登山口5:35/5:45―笹の平―刃渡り10:07―刀利天狗―五合目―七丈小屋12:43着

七丈小屋泊・行動時間約7時間

3day七丈小屋6:00ー8合目御來迎場6:57―甲斐駒ケ岳山頂8:23―駒津峰9:45―仙水峠ー北沢峠12:30/13:00→(南アルプス林道バス)→仙流荘

仙流荘泊・行動時間約6時間半

4day仙流荘8:50→(タクシー移動)→尾白川渓谷(竹宇登山口)10:20→(マイカー・休憩取りつつ)→解散場所16:00頃
2017年8月24日曇り時々晴れ
5:45尾白川渓谷駐車場
標高780m、そこそこ広い駐車場、お店もあり綺麗なトイレもある、黒戸尾根アタッカー以外の利用者もあるのでハイシーズンは一杯になる
北杜市から見上げる甲斐駒、甲斐駒はガスの中
前日の麓からの写真、3日間このような天気
5:55竹宇駒ケ岳神社
駐車場からキャンプ場コテージエリアをまっすぐ歩いて来ればすぐ、立派なお社・お堂がある、すぐ左手奥に吊り橋がありここで尾白川を渡り登山開始、登山道は川から離れて行くが、しばらくは尾白川渓谷遊歩道エリアにも含まれるようで遊歩道の案内板が立っている。
6:15遊歩道との分岐
尾白川渓谷遊歩道との上部分岐
ここからは尾根に向かって登っていくが途中わりと平坦なエリアもある、平坦区間は少しだけ踏み跡が薄かったように思う。
6:55尾根
以降尾根沿いになる、それほど傾斜は強く無い雑木林帯の歩きやすい登山道でしっかり高度を上げてゆく、高度が上がると足元に笹が入ってくる。
序盤はまだ普通の登山道、樹林歩き
登山道はまぁ普通
8:10笹の平
横手(駒ケ岳神社)分岐、看板のある広くて分かりやすい分岐、分岐の少し前で根っ子を掴んで上がるような急登が有る。
8:52石塔広場
ちょっとした広場がある。
木の株元に石仏がある広場
休憩適地
9:55展望所
南東の展望が少しだけ開けていて晴れていれば鳳凰三山や富士山が見える。
10:07刃渡り
ヤセ尾根の岩稜歩き…だが、かなりしっかり鎖が張られているので高度感があると言うだけで危険度は低い。
この少し手前辺りから尾根の雰囲気が変わり岩の露出が目立ち始める。
晴天バックで見上げる刃渡り
一枚岩のヤセ尾根、補助の鎖が手すりのように設置されている
刃渡りからの景色、すぐ手前の尾根は日向山か?
刃渡りからの北側の展望
10:20階段
よく整備されているが高度感のある階段、もし階段が整備されてなかったらかなり通過に苦労しそうな岩稜、ガレ地帯となる。
10:28
10:40
刀利天狗
お社のある広場で休憩、続く登山道へは岩の間を通って行く事になる、その手前は迷い防止の為のトラロープが張られている。
刀利天狗のお社
刀利天狗、写真より手前に広場があるの
11:00広場
ここから黒戸山トラバース道へ、何も考えずに歩いてもトラバース道にはいるかと思われる。
11:25
11:35
五合目小屋跡地
小屋は無い、この直前に少し急な下りがありこの開けた小屋跡地に下りてくる、人工(?)石洞やレリーフの刻まれた大岩がある。
晴れの日休憩するには太陽が暑い。
五合目小屋跡地
五合目小屋跡地
石洞とレリーフ
石洞とレリーフ
11:40
11:45
五合目お堂
コル、岩塊の下にお社がある。
ここからハシゴ、岩場が連続する岩場の急登道になる。直前に休憩したばかりだが前のグループとの距離が詰まってしまったので距離を開ける為に5分程調整休憩。
登山道回りには石塔がかなり増えてくる。
5合目コルのお社の有る広場
5合目コルにも広場がある
5合目お社のすぐよこからハシゴ帯が始まる
長いハシゴで始まる1日目後半の岩稜地帯
12:15
12:20
痩せコルの木橋
高度感のある木橋が設置されている、木橋の真下に朽ちた昔の橋がそのまま残っている。
コルにかかる木橋
痩せコルにかかる木橋、土台は鉄骨
12:25垂直の梯子
鉄剣のあるちょっとした広場から階段を登り、ほぼ垂直の鉄梯子へ、以降も傾斜のキツイハシゴと岩場・鎖場が続く。
岩稜にかかる階段と梯子
急なハシゴ、この時真後ろの位置に鉄剣が立てられている
12:43七丈小屋
岩場歩きから樹林帯の歩きに切り替わって暫く歩くと突然七丈小屋が現れる、そんな感じ。ヤセ尾根の中上手い事建てられている。
この日は食事利用組は良い感じに空いていた(自炊やテント泊は結構いた様子)、夕食利用が第一小屋、素泊りは20m程奥にある第2小屋に入ることが多い様子?、水は豊富、夕食がおいしかった。
お酒・ジュース類の販売は小屋の在庫状況次第なのでタイミングによる。
七丈第一小屋
七丈(第一)小屋、裏手にあるヘリポートから
2017年8月25日曇りのち晴れ(のち雨)
6:00七丈小屋
やや晴れ間があるといった程度の微妙な天気。
第2小屋すぐ脇にある梯子からスタート、昨日のヤセ尾根の続きでいきなり岩の多い急登なので気を引き締めて再スタートするように、昨日に引き続き登山道回りの岩場のそこここに石塔がある。
6:57
7:03
8合目御來迎場
壊れた石鳥居のある広場、今回はこんな時間なので関係ないが、本来はご来光を拝む場所。
甲斐駒山頂はどっぷりとガス、遠方はやや晴れなので少し展望は通る。
晴れていれば進行方向に甲斐駒山頂への岩峰がどんと構えていて良い景色、この日は鉄剣の大岩くらいまでの展望しか無かった。
登山道は岩場の弱点(?)をついて上手くつけてあるが、ここから岩場の危険度がも一つ上がると考えておくと良い。
8合目から甲斐駒山頂方面、ガスで真っ白
甲斐駒山頂方面、よく見ると鉄剣の立つ岩峰がギリギリ見えている
7:10鎖場
大岩に足場の窪みが彫られた鎖場、岩の足場がしっかり彫られていて鎖もあるので難しくはないが、2段大岩になっていて上段の岩を登る時に鎖を持つと身体が後に反ることになるのでちょっと嫌らしい。
7:25鎖―岩ルンゼ
ルンゼの急登を登ったところでさらに鎖、引き続き危険地帯、頂上にむけてもいっちょ傾斜はきつくなる。
7:35
7:43
鉄剣大岩の下
休憩適地、ここから頂上までの間にゆるいピークを一つ挟む。登山道は鉄剣大岩をぐるりと上側に巻く、写真は撮ったがガスで真っ白なのであえて載せない。
8:00
肩地、ここから進行方向正面に見えるスラブ状地形が登りルート最後の難所、遠目に見ると凄く危なそうに見えるが取り付いてみると通過自体は簡単、落ち着いて岩場ルートを見定める技術くらいは持ってないとかなり危ない事にもなるかなと。
岩の斜面に着く登山道、ガスが濃い
スラブ地帯、登り最後の難所?
8:10
8:20
駒ケ岳本社
駒ケ岳神社の本社、立派なお社、黒戸尾根から登ってきたからにはちゃんとこの本社に手を合わせよう、他にもいろいろあるがガスと強風の為さっさと通過、この小ピークは尾根から越えても巻き道から行ってもすぐに合流する。
ガスの中の駒ケ岳神社本社周辺
駒ケ岳本社まわりにある色々
8:23
8:30
甲斐駒ケ岳山頂
標高2,967m、下山は普通に一般道(巻き道)を選択したので山頂から分岐まで少し戻る。
山頂はどっぷりガスに包まれていたので濃霧と突風の世界、白ガレの砂粒が顔に飛んできて痛かったくらい。
登り登山者との行き違いも多くボチボチ下る、摩利支天分岐までの登山道は微妙につづら折れに刻まれているザレ道、濃霧でも道迷いしないくらい誘導はしっかりされていた。
山頂直下の分岐、濃霧と突風の世界
黒戸・山頂・一般道(巻き道)分岐、見ての通りのガス
山頂のお社
山頂のお社
8:50摩利支天 下側分岐
ロープの張ってある分かりやすい分岐、このあたりまで下りると山頂を包むガスの下に抜けて展望が戻ってきていた。
甲斐駒巻き道はここから8合目広場までの間が一番歩きにくい、気を付けないと普通に事故る。
甲斐駒への一般道(巻き道)普通に危険度は高い
駒津峰から摩利支天分岐までのトラバース道
9:10
9:15
8合目
ちょっとした広場、甲斐駒直登はここで分岐、登山者がそこそこ行きかっていてごちゃごちゃしていた。
ここから駒津峰までアップダウンのある岩場歩き、まだ普通に危険地帯で上り下りの行き違いも激しい厄介地帯。
9:45
9:55
駒津峰
休憩適地、風がきついので登山者がハイマツの陰で休んでいる、展望は開けてきているが甲斐駒山頂の天気のみ微妙な感じ。
ここから仙水峠への下り道はここまでにくらべればかなりマシだが傾斜はキツ目。
甲斐駒ケ岳、後ろに青空は見えるが山頂は絶対に見えない
駒津峰から振り返る甲斐駒、天気は微妙
11:05
11:15
仙水峠
休憩しつつ下ってきてこの時間、天候が下り坂に。
少しだけ大ガレ場歩きがあるがそんなに歩きにくくはない、傾斜はゆるい。
11:45仙水小屋
小屋前の登山道脇に出ている水を貰うときは小屋に声をかける、この日は通過
登山道脇に堰堤が連続し始めるともうすぐ長衛小屋。
12:15長衛小屋
旧北沢駒仙小屋、土曜日なのでテント場がテントでみっちり。
長衛小屋のテント場
長衛小屋のテント場、混んでる
12:30
13:00
北沢峠
ちょうど到着くらいで小雨が降り始める。
ここからは南アルプス林道バスへ、バスチケットはバス出発20分程前に販売声かけしてくれるので待合所の(番号の書かれた)席に座って待てばよし、
14:00仙流荘
2017年8月26日曇り
8:50仙流荘
タクシーは前日に連絡
10:20尾白川渓谷駐車場
タクシー移動で1時間半、料金は23,000円程、以降マイカー移動
16:20大阪駅
解散
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